渓の童子

2007 渓流釣行記

平成19年8月4日 高津川水系ほとんど支流

なぜに登る・・・。

なぜか、けだるい朝だった。

体は重く、動きは鈍かった。

台風5号の影響で川は大増水しているだろう。

こんな体調で、そしてこんな水況で、・・・釣りなるのか?

朝の散歩を終え、ライブカメラをチェックすると昨日より少しはマシになっていた。

行くだけ行って見よう。・・・・・ダメなら帰ってくるもヨシ。

出発は午前8時半。

「ホントに今から行くの?」と言われそうな、夏の太陽がジリジリと照りつける日であった。

支流

支流上流部のそのまた支流の出合いから入った。

流速が早く、とてもじゃないがリールを巻く手が追いつかない。

こりゃタマランと、上流へ移動した。

ポイントが少なく歩く距離が長い。

しかし、涼しく、朝のけだるさはどこへやらであった。

ちびアマゴ

最初に釣れたのはアマゴだった。

その辺りからチェイスを見掛けはじめた。

と言っても、チビばかりである。

やまめ

次は7寸ヤマメ。

ここではこのサイズが限界な気がする。

最初のごぎ

次のポイントでちびゴギ。

きっぱりとここから上はゴギとなった。

線を引いた様に住み分けている。

デブゴギ

この時期のゴギたちは落込み下のプールの最下流に定位している。

そんなポイントを横切るようにミノーを通すと効果的だった。

そのプールでは2匹のゴギがミノーに突進して右往左往していたが、フックをくわえる事無く出なくなった。

1匹は今日の中では最大に見えた。

(それまでは20cmに満たないサイズばかり)

上と同じゴギ、久しぶりにこんなショット

これを捕らないと今日は7寸を超えなかったと泣いて帰る羽目になりそうな気がしていた。

ゆっくりリーダーを結び直し、ミノーを変更し、それから煙草を一服。そしておもむろに一投。

ヒット。

大きな尾鰭を持つ8寸のおデブちゃんである。

ファイトはワンサイズ上であった。

ご褒美にコイツでちびネットU入魂としよう。

へびゴギ

そのポイントではプール出口の渡り廊下のような所を越えて、黒い影が静かに追って来た。

そいつはプールに戻る事無く、外の石の影へ身を隠したようだ。

ミノーとの距離からヤル気ない奴と思ったが、もう一投プールにキャストして出口を越えた所でミノーを遊ばすとすっ飛んで来て食いついた。

にょろにょろとした蛇の様な26cmゴギだった。

森林浴

もう随分上まで登っていた。

空は狭まり、完全に獣の領域に侵入している。

「もう、ここから先はダメよ!」ってな難所はなくダラダラと登っていた。

しかし、どこまで登ってもゴギはいる。

きりがない、もう戻ろう。

マイナスイオンに後押しされ、ゴギの魅力に引っ張られでこんな所まで来てしまった。

下り始めるとかなり疲労しているのが分かった。

ヨイヨイのヨレヨレでヨッパライのように下っていた。

右岸に道らしいものを発見して登り、少し歩くと藪になった。

そして藪を漕いで沢に降りる。

そんな事を三度も繰り返し疲労を増幅させて行った。

三度目の藪の向こうに、上る時どちらに行くか迷ったもう一本の沢が見えた。

あっちの沢に出れば今の沢に戻るより楽だろう。

その沢に出て下流を見る。上流を見る。

上流に登り始めた。クタクタだがいいポイントが見えたんだもの。

釣り人のサガであった。

2箇所のポイントで7寸を2匹やっつけてからまた下り始めた。

ヨタヨタと車に着いてシートに座り込むと6時だった。

どうも源流は時間の感覚を麻痺させる傾向が強いようだ。

時計を見ていないので気付かなかったが5時間半も経っている。

帰るか。

・・・・・。

いや、本流ポイントを一ヶ所やってから帰ろう。

・・・・・。

やはり帰るべきだった。

しゅーりょー

あ、足がツル〜。

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