N017   気が付けば源流調査V  7月18日
  高速を降りると10時半だった。 いつもとは逆方向に走る。

 川はあくまでも清くキラキラと輝いていた。
 あまりにも美し過ぎて、お魚は居ないように思えた。 

 それは間違いだった。どこへキャストしてもぞろぞろ出てきた。
 
 カワムツ君だった。

 パーマークをあらわにアマゴがジャンプした。
 ミノーを追い、絶妙な傾斜の石に乗り上げて、飛んでしまったのだ。
 何やってんのキミ!・・・・・・・・・・わしか?

 コーナーの先に堰堤が見えた。「あそこまでやったら止めよう。」
 しかし、20m手前で逃げるように、石垣をよじ登った。

 なぜかって?

 浮き輪を持った、子供たちがウジャウジャいたから。

 『おいちゃん、釣れた?』なんて聞かれるのである。
  にげろーーーー!

 紫陽花が咲いていた。
 釣れなかった事など忘れさせてくれた。・・・ソンナワケナイ

  源流の入り口に立っていた。
 連休三日目ともなると、どこもかしこも足跡だらけだろな。

 下流側を覗くと美味しそうなプールが見えた。
 調査に向かった。入渓出来そうな場所を捜す。
 急勾配のガレ場を降りる。人の降りた痕跡は無い・・・怖すぎるもの。

 渓に立つと上流も下流も好ポイントが続いている。
 数匹の影が走った。ほとぼりが冷めたら又来よう。

 崩落しそうな岩場をよじ登った。
 人の登った痕跡は無い・・・怖すぎるもの。

 上流に入ると、まったくお魚の気配が無くなった。
 怖すぎる崖が無いからだね。きっと。

 倒木の僅かな隙にスプーンを入れると良型が出て元の位置へ。
 尺近いかも。バクバクした。あせってキャストすると木の枝に掛った。
 何時ものパターンだ。 ナンダヨー!!

 その辺りから、ちびゴギが次々に出始めた。
 掛けた数の5倍はバラした。バラしたうちの半分は空中だった。

      なんで?   ・・・   ヘタだから?

 源流らしい風景を歩いていると、極めたくなった。
 「滝を見に行こう!」。あるに違いない。絶対ある。
 
 川が二つに分かれた。さあ、滝はどっちだ?
 水量と傾斜を見比べて、んん〜、こっち。

 滝があった。ごぎが溜まっていた。
 そしておもしろい実験が出来た。
 Aスプーンに何度もバイトして来た。
 Bミノーに替えると魚など居ないかの様に静かになった。
 Cスプーンに替えてもまったく変化が無い。
 Aスプーンに戻すと二匹連続でヒットした。へへっ!かえろー。

 訓 いくら遅くなっても渓を小走りに下ってはいけない。
  前のめりに転倒して、岩が目前に迫ったりするぞ。
怖かった。 しゅうりょー!

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