渓の童子

管理釣り場釣行記

平成18年11月23日 FLT

管釣りバトル ☆ MY WAY

今シーズン二度目の管釣りである。

前回の桜フィーバーでは、まったく釣堀らしくない釣りにウンザリしていた。

少しは状況は変わったのだろうか?

いつもの様に一番乗りで到着し車中で仮眠をとる。

6時半を過ぎると続々と車が入って来るが、いつもほどの賑わいではない。

受付に列が出来始めた頃、寝袋を抜け出し朝食を摂った。
並んでまで、いい釣り座を確保する気などさらさらないのだ。

車から這い出そうとしていると、隣に見覚えのある車が止まり、見覚えのある お兄さんが降りて来た。

少しお話をして情報を頂く、まだ桜がいるらしい事、お兄さんはその桜を狙うらしい事が分かった。
私はミノー用の短竿とスプーン用の管釣り竿を持って何時もの釣り座にお兄さんと共に降りた。

「早掛けしょーぶ!」お兄さんが言った。

お兄さんはアッと言う間に掛けた。まだ、桜バブルの時代なんだな。私は少しがっかりした。

私にも少し遅れて一匹目が釣れた。早掛けで負けた。・・・まあ、順当だろう。

お兄さんは掛け続ける、私の倍のペースである。・・・これも順当だろう。

岩魚君

しばらくして、私に掛かったお魚は桜ではなさそうで、なかなかのファイトを見せる。

寄せて見ると岩魚だった。 隣の優しいお兄さんが文句言いながらも掬ってくれた。サンキュ。

40cmは越えている。

岩魚のアップ

グッドな魚体ぢゃ。鼻の下が伸び、口元が緩む。

しかし、口の端を傷つけてしまった。スマヌ。

リリースしようとするが腹を見せている。
水に手を突っ込みしばらく蘇生術を施していると無事生き返り、帰って行った。後姿もいいねえ。

誰にも釣られるんじゃねーぞ!
そして、また会おうぜ!!

もう、今日はコレだけで満足ぢゃ。

・・・と言ったら、それっきり本当に何も釣れなくなってしまった。

暫くすると土手の上を見た事のあるお兄ちゃんが満面の笑みで歩いて来た。
桜君がまだいる事が嬉しくてたまらない様子である。

そのお兄ちゃんは私と優しいお兄さんの間に入ると高そうなロッドを振り始めた。

しばし沈黙の後、次々に沖からお魚を掛けて来始めた。お兄ちゃんは楽しそうに釣ったお魚をカウントしている。

私は急速に興味を失い、自分の世界に入ってゆく。・・・そして気を失った。

・・・何時間たったのだろうか、ゆっくりと意識を取り戻した。

優しいお兄さんがもうすぐ帰ると言ってる。

帰る前に雄姿を見せたかったので、スプーンを取り出し真剣に虹を狙うが、アタリすら拾えなかった。

〈ミノーをくれた〉優しいお兄さんは帰って行った。

スプーンで虹鱒を釣り上げる事。

それだけが私の望みだった。

そして、静かにストイックな世界に入って行った。

雨が降っていた。

遠くでかすかにお兄ちゃんの声が時々聞こえてくる。

・・・私は再び気を失い掛けていた。


光が帯となって流れていた。

ここは・・・どこ?

(どうも高速道路にいるようだ。)

なんで?

(あ・あ・・タカミヤに行ったんだ。)

ん・・・午後からの記憶が全くない。・・・・・・・・しゅーりょー?


帰宅してデジカメを確認すると妙な物が写っていた。

朗笑の男性がいる。

さらに妙な物が写っていた。

鯰だろうか?

受付で大きなリリースネットを借りた覚えがあるが・・・。

不審に思い拡大してみた。

なんだ?これ?。

強い怨念によって焼き付けられると言う、あの念写だろうか?
しかし、ご当人様の釣行記にもそっくりな画像があった。

#見た幸運と見てしまった不幸、どちらが大きいのだろうか?

うん。・・・速やかに忘却の彼方に追いやろう。

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