渓の童子

2007 渓流釣行記

平成19年5月19日 高津川 支流→本流

予期せぬ降雨。イケるんぢゃな〜い

さて、今月、高津川に行けるのは今回が最後である。

次回からは鮎釣り師たちと競合となるが、人口の多い彼らには勝てない。

つまり山奥に逃げるか、隙を突くか、となる。気の弱い私は当然前者を取らざるをえない。

今回は思いっきり川を満喫したい。

ちゅことで、早朝の出発とした。

「おい、明日は早よう出て、早よう帰るけ。」

「ハイハイ。そう言ってもね〜〜。どーーーせっ、暗くなるんでしょ。」

まったく信用されていなかった。


本日の一匹目アマゴ

6時前に超人気区間付近へ到着。
車が止まっていたので一区間下に入渓した。

その区間の最終部、上の区間と被るポイントでやっと本日の一号、7寸弱が釣れた。

一個上でも同寸がスレ掛り。

釣り車ぢゃ無かったのかな?

朝一を終えて

そしてこのまま人気区間に突入し、チェイス、バラシを少々。

この区間、最後のポイントとなった。

手前側と奥側が急流で真ん中が浅くなりその両脇が緩流となっている。

数投目、浅瀬を越えた所で少し引き抵抗が変り、速い流れに入った時、『ゴツン!』

浅瀬に迎えに行くか、流れを突っ切って抜き上げるか。一瞬の判断で後者を取った。

(デカイ、デカイ、デカイ、デカイ・・・・・。)小声で呟きながら急流の中を寄せていると『ビョン』。
ぐぁーーー、バレた〜。

やっと7寸を超えた

少し上の区間に移動する。

工事のガレでその面積の半分以上を埋められた淵で、やっと7寸を超えてくれた。

美形1

そして、堰堤下。
『グンッ!』と乗って来たのは枠超えサイズ。

美形だった。

8寸を超えてくれた。

優良ポイントらしく、生簀があった。

最近の降雨は結構な量だった様で生簀は完全に沈んでいる。

今日の活性はこの雨の恩恵を受けての事のようだ。

美形2

実に美しかった。

流れに放つとその位置にとどまっている。

デジカメを取り出そうと、一瞬、目をポケットに移し、戻した時にはもう消えていた。

良かった。

弱らしてはいなかった。


うぐひ

本流第1ポイント。雨が降り始めていた。

で、コイツが・・・。

ロッドは大きくしなり、ドラグが鳴いたが、まったく緊迫感の無い攻防であった。

それがコイツらしさなのである。

雨、突風

本流第2ポイント。大雨となった。

もうお昼近くだった。
パンを頬張りながら、小降りになるのを待つ。

強風は舞い続けていた。

本流モノ7寸位?

大きな淵の中程から探って行く。

白泡の切れる辺りでライズが見えた。
「上流に行くのよ」って跳ね方である。

その方向にキャストする事、数投目。

キタッ!・・・が、期待に反して7寸。

尺上1(31cm)

本流第3ポイント。自己記録の瀬である。

下から探りながら上流へ移動して行く。

白泡の渦巻く落ち込みまで来ても魚影を見る事はなかった。

河床は自然の状態まで回復している。

条件は整っていると思ったのだが・・・。

ミノーを中量級から軽量級に替え、カラーは同じく鮎カラーとし、上がって来た所をまた下りながらキャストして行く。

最初のピックアップの瞬間、小さな黒い影がすっ飛んで来た。えっ、いたの?

さらに数投。平瀬の中心部でミノーを追う、灰色の影が見えた。

一瞬、見失ったが5m先で魚影を発見、無意識にゴニョゴニョとミノーを揺する。

『ガツッ!!』

(よっしゃーー!やれ巻け、そら寄せろ、ローリングの隙を与えるな!ア、ソレソレ♪)

※実は朝からローリングでのバラシを多数、体験していた。

急激な反転を繰り返している、尋常な暴れ方ではない。こんなに引き、強かったっけ?

ネットの届く距離まで寄せた所で腰のネットに手を掛けた。

『バシュッ!』

ミノーが水面を割り飛び出して、虚しく風に揺れていた。

・・・・・・・。

立つんだ、ジョー!

足にキテいた。

・・・回復するには打つしかないのだ。

必殺のクロスカウンターを決めてやれ。

それから二投目。

中心部でターンを始めたミノーに灰色の影が迫っている。ゴニョと変化をつける。

ズ〜ンと重量感がロッドに伝わって来た。

ミノーの後ろにくっついたお魚は頭をこちらに向け、体側へ流れをいっぱいに受けている。

見えてるぞ。(今だ!やれ巻け、そら寄せろ、ローリングの隙を与えるな!ア、ソレソレ♪)

流されるお魚に付いて岸を下りながら、ハンドルを巻き続ける。

早瀬に行かせては成らぬ。ドラグは鳴るに任せてひたすら寄せる。

水面を割ったお魚はバシャバシャと暴れている。

この計算できない状態での取り込みはオモシロくない。

水中で左右に泳がせながらネットを抜き、左方向に泳いだ所で頭の前にネットを差し出した。

左手にお魚の動きと重量感が伝わって来た。

ヒョイと持ち上げた。

わぁっ!!!

ネットの外にぶら下がっているではないか!

あわてて岸に降ろし、川を背にして両膝を着きガードする。

ふ〜、久々の尺上であった。

完璧な体形、完璧な銀鱗、・・・なのになぜ?

その逝った目。


尺上2 尺上3

フックが伸びた

渓流監視委員会の本流認定サイズ35cm超えはこのフックでは難しいだろう。

上のお魚を釣った時にも多少伸びていたが、これは本流第二ポイントで気付いた。

何時の間に伸びたのか分からない。

フック強度の見直しが必要のようだ。

晴天

帰りは晴天。

私の気分の様に晴れ渡っていたのだった。

しゅーりょーーー♪


「ただいま〜」

「あら、早いのね」

「ハハハッ」(今日は心が少し広い童子であった)

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