渓の童子

2009 渓流釣行記

平成21年5月16日 高津川本流

本流尺ヤマメはいたのだ

「先週は尺が何本か出たんですけどねえ〜」

(にぃーーーっ!!どこでじゃっ!何本かって何本じゃっ!)


川に着いたのは6時前だった。

ゆっくり本流をやれるのは今週までなので、少し頑張って早起きしてみた。

上流から下流に向かってランガンしていたが、ここまでフッキングしたのはウグイとカワムツだけだった。

このポイントでもゆうに尺超えのチェイスの後、急流の中で激しくバイトしたのはウグイだった。 こいつのヤマメと見紛う動きのせいで、それまでのチェイスすべてがウグイとするしか無くなってしまった。

川から上がろうと車を停めた方向を見るとこちらを見ている釣り人がいた。

ゆっくり近付くと、上流と下流を指差して私の今から行く方向を聞いているようだ。
川を背に放物線を描くように道路を指してやめて道路に上がると合図した。

近付くと若いルアーマンだった。
すれ違いざまに今日の釣果を確かめ合った。

そして冒頭の台詞である。


「先週は尺が何本か出たんですけどねえ〜」

「へぇ、それはどこで?」
平静を装って聞いた。

そこは先週も先々週も今日も行ったこの場所だった。

子供達

「へっ、何時ごろ?」
平静を装えなくなっていた。

この写真を撮る5時間前の事だった。

少しだけ安心した。

(ん?まてよ、さっきのチェイスの内、いくつかは本命が混じってんちゃうか。)


いまだ本流尺出ず。もう無理だろな。

高津本流、しゅーりょー

鮎師に明け渡そう。

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