渓の童子

2007 渓流釣行記

平成19年9月29日 日野川本流

最終釣行  *** 夢の中へ ***

早いもので漁期最終週を迎えてしまった。

この土壇場に来て尺上の釣果を聞き始めていた。
そして仲間内では心温かい祝辞が飛び交っていた。

最上級の祝福の言葉『感じ悪ぅ〜』

そんな言葉を聞きたくてシーズン最終釣行、日野川日帰り遠征を敢行した。

県境の峠の温度計は13℃、そして鳥取県に入ると小雨が降り始めていた。
雨さえ大降りにならなければ最高の条件での釣りになりそうである。

深夜のR183を一人にやけた顔でひた走る。
BGMは『夢の中へ』。うふっふぅ〜、さ〜あ〜〜♪

しかしBGMとは違って探し物のありかは某氏の情報により分かっているのだ。
探し物はナンですか〜?40upだよん。うふっふぅ〜♪、さ〜あ〜〜♪♪夢の中へ。

狙いのポイント前の道に駐車するとリアシートで横になる。
一瞬、深い眠りに落ちたがすぐに目が覚めてしまい、時計と東の空を気にしながら夜明けを待った。

薄明るくなり始めて身支度をはじめたが、準備が整ってもまだ釣りが出来るほどの明るさではない。
(え〜いっ、行っちゃえ)
ルアーが確認できる明るさになるまで下流に向かって歩いた。

淵の真横まで来た所で、ガイドにラインを通しミノーをチョイスする。
(おっと、ドラグドラグ)ラインを引っ張りながら慎重に調節を済ませた。

そして淵頭の落ち込みに第一投。数投するも反応なし。・・・。
では、浅瀬にぶつかる所。反応なし。・・・。
浅瀬の裏。黒っぽい奴と白っぽいデカイ奴が下流側から、すーっと距離を置いて追ってきた。

下流に回り込んで同じポイントに入れるとまた黒と白が・・・。
黒はヤル気満々だが、白はボーっと動くだけで食う感じではない。

白は出なくなり、黒は相変わらず元気いっぱいであるが食わせられない。
その間ミノーは深いレンジを通す方向へチェンジして行っている。

竿先まで追って来たお魚にもうヤケクソの稲妻ターンをかますと『グンッ!』と乗った。
(やったぁ〜)尺位か?
寄せに掛かると『フッ』と軽くなった。ば、ばれた。あぁ〜。

まだ手を付けていない上流で何とかすればいいさ。今のは尺無かったかも知れないし。

ゴロタ石の瀬に差し掛かっていた。

対岸の大石の脇へアップクロス。

川の中央付近でドンッ!!!。(きたーーーっ)

12時の方向へぐわぁーと走り『ぢりり』(ドラグ音)。ぐりんぐりんと体をくねらす。
無理と分かると2時の方向へ『ぢりぢり』。ぐりんぐりん。
今度は3時の方向へ『ぢり』。ぐりんぐりん。(ドラグ締め過ぎている・・・)

竿先を下流側から上流側へ回すようにして頭の向きを変えて寄せに掛かる。
ネットを構えると届かない所を素通りしてしまった。

12時へ、ぐわぁー、ぐりんぐりん。
2時へ、ぐわぁー、ぐりんぐりん。
3時へぐりんぐりん。

頭の向きを変え、寄せるとネットを構える、今度は枠まで来てスピードを増した。
ネットの枠に重くぬるっとした感触を残してまた通り過ぎた。

やっべぇ!

12時へ、ぐわぁー、ぐりんぐりん。(たのむ、たのむ、たのむ・・・・)←はずれるなぁ。
2時へ、ぐわぁー、ぐりんぐりん。(たのむ、たのむ、たのむ・・・・)←切れるなぁ。
3時へぐりんぐりん。(たむ、たむ、たむ・・・・)←ハリ伸びるなぁ。

口の中で人には理解できない言葉を念仏のように唱え続けていた。

今度は落ち着いてネットの角度に注意しながら頭から取り込んだ。ふぅ〜。

ヤマメだった。
心配していたウグイには変身してはいなかった。
それもソートーでかい。

浅い水溜りに置くと取り合えず写真を撮る。
あ、採寸しなきゃ。測ると自己記録の36cmは優に超えている。やった。
お池を作って、平らな所に寝かせて正確に採寸する。

39cm。おしいっ。
40cmには足らないが満足度はもちろん100%である。

いつまでも傍に置いて居たかったが、そうもいかない。
優しく流れに放ち、後姿が見えなくなるまで見送った。

次の場所に移動して車を止める。

そうだ。情報を頂いた某氏に報告しなきゃ。

デジカメの液晶に画像を出し、それを携帯のカメラで撮影して簡単なコメントを付けて送った。

その後、その画像付メールは数人に転送されたらしい。

昼食時にbbsを覗くと信じられない数の『感じ悪ぅ』が並んでいた。思わず笑ってしまった。

※カキコ下さった皆様、お手間取らせてすみませんでした。
気持ちよかったっす。♥


その後、本流を転戦するもチビの釣果のみ。
生命反応皆無の所、多数であった。

夕方の釣りを朝のエリアでやろうと舞い戻ってきた。

川を覗くと餌釣り師が一人立っている。実にスマートな動作をする釣り師だった。
あ、あれ?あのタモ。あのシューズ。あのお方ではないのかな?

するとお魚を掛けあっさりリリースすると、私の気配を感じたのか振り返った。
やはり冬彦氏だった。もともとの40cm情報元の方である。(感謝)

夕マヅメの時間、お邪魔させて頂いたが今日一日叩かれ続けたお魚は深く沈んでいる。

大きなお魚は確かに居る。明日の朝なら誰かの手に落ちるであろう。

で、翌朝、この方の手に落ちたらしい。

すべてしゅーりょー

夢の様な数時間ぢゃった。

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