渓の童子

2009 渓流釣行記

平成21年8月30日 某支流

最後の一尾を求めて(2)

今日もやって来た。

しかし、足は痛みを増している。
普通に歩くのは不可能な状態である。

入り易くて出易い区間を探す。
昨日拾った杖を荷室から取り出し、細いロープをグリップの下あたりに巻き付けて縛り、残りのロープで輪をこしらえた。 その輪をウェーダーのベルトに通したカラビナに掛ける。

少し歩いてみてはロープの長さを調節して具合のいい位置で固く結ぶ。

移動は左手に竿を持ち、右手で杖を突きながら。 ポイントでは杖を竿に持ち替え、杖は右腰からぶら下ったロープにあずけた状態である。 ポイントが続く場合は、杖をゴトゴト引き摺りながら小刻みに歩く。 淵なんぞを歩く時は杖が水に浮いて非常に調子がいい。

まあ、他人には見られたくない姿である。


最初の渓

多少高低差はあるが、歩き易い渓だった。

しかし、いったん道に上がると、今の状態では入れそうな所が無いのでやむなく小移動。

上に行くと結構な混雑である。ここは人気支流らしい。

最後の渓

移動して楽そうな里川に入る。

しかしポイントが少ない。

秋には大物が上がって来るらしいのだが、本当だろうか。

これが最後のお魚ってこたーないやろな?

食えそうもない実

支流に入って行くと、ここはもう川と言うより水路である。

もう上がれる所まで遡行するしかない。

しばらく歩き、やっと上がれそうな小堰堤に着いた。

もう無理。ボにて、しゅーりょー


人の目があるので普通に歩きたいが、まったく右足の自由が利かず杖を突き、足を引き摺りながら車まで歩く。
これが中々進まない。えらく長い道のりだった。

車に付く直前、背中に「釣れたかね」の声が掛かる。

振り返ると玄関からご老人。

「この時期、雨が降ったら大きいのが上がって来るがね〜。」「へ〜。」

「今年は水が少ないけえ、上がらんかも知れんの〜。」「は〜。」

「まあ、やってみり。」「え、あ、はあ〜。」


杖を置いた

もちろん、もうスイッチは切っているので、大人しくウェーダーを脱いだ。

そして2日間お世話になった杖に別れを告げた。


悲惨な最終週でした。

まあ、これだけ頑張ったので十分です。

打撲から3日目、順調に回復しています。
今は平地と登りなら普通に見える様に歩く事は可能です。
しかし、下りは違う筋肉を使うようで普通が難しいのです。

ちょっと見は青あざにもなっておらず、なんとも無いようですが、よく見ると腿が妙にイビツです。
多分、太腿外側の筋肉損傷なのだと思います。

一週間もすれば治りそうな感じです。今月も活動しますよ〜。

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