渓の童子

2013 渓流釣行記

平成25年8月30日 高津川某支流

平日禁漁前台風直前最終釣行 高津川

31日土曜日を最終釣行日とするつもりであったが、台風は直撃コースにあり、大雨を伴うと言う。
マズイ。終わらないまま終わってしまう可能性が高い。

そりゃ、金曜日に行っちゃうでしょ!

金曜日の予報は『午前中降るかもね。午後から酷く降るよ』と言っている。
それじゃ、早く行って、午前中にカタを付けよう。


出発は4時前だった。高速道路に乗る直前、通行区間の一部が通行止めだと、電光掲示板は示していた。
通行止め区間の次のICまで下道を走る。高速道路を下りる頃には、遅い夜明けも明け切っていた。

目的地は数度の大物バラシを演じ、数匹の泣き尺を上げた場所を含む区間である。
そして、昨日からの雨は最高の条件を作りだしている筈だ。

入渓点に車を停めたのは7時30分であった。予定より1時間遅れてしまったが、好条件に変わりはない。
考えていたより、やや水量は多いがマイナス要素にはならないだろう。

川に降りて見ると、妙に景色がシンプルである。先日来の大雨で凸凹やいくつかの色を削り取ってしまったようだ。
そのせいなのかは分からないが、全く魚影を見ぬまま最後のポイントを残すのみとなった。

「絶対いる」「いるに違いない」「いる筈だ」「いてくれ」「いるよなあ」。
ポイントが近付くに連れどんどん弱気になる。

第一投で何らかの反応が出なければならない。一発で決めてやろう。
水辺から少し離れた位置に立ち、ややアップクロスに奥の流れへキャスト。

緩やかなカーブを描きながら、反転流を通過して手前の流れに差し掛かろうとしていた。

ここで当たる筈だが反応がない。と思った時、『コッ、コツッ』と小さなアタリ。
条件反射でアワセ。

意外なほどあっさりと決着が付いた。

アワセは効いたと思ったが、抵抗を感じない。

ラインは激しい白泡の流れに突き刺さっているのにラインの抵抗も感じない。
お魚はこちらに向かって走っているのだ。 白泡を抜け出て左の下流側にお魚は姿を現した。

デカッ!!

上流に向かって素早く走るお魚に付いて体ごとロッドを右に振り、 ラインテンションを保つようにラインを巻くと、背鰭が出るほどの浅瀬に入り、狂った様に方向を変えながら突進を繰り返す。 すでにランディングネットを抜き掬う体勢になっているが、お魚のスピード、水深、ネットのサイズ、どれをとっても掬える要素がない。

ままよと岸に引き摺り上げた。

お魚は強いばねでバッタンバッタンと高く跳ねている。 ロッドを放り出してバウンドを繰り返すそいつの行く手を左手で制御して、右手で持ったネットで掬い取ろうとするが、上手く行かない。

ネットも投げ出し、両手で押さえつけた。そして素早くネットを拾い、掴んだお魚を押し込み捕獲成功。

補修5thチビネット入魂:35cm

 

釣った気がしなかった。

ヤマメの掴み取り大会である。

周囲に人の目がないか確かめた。

まずは証拠写真を数枚。

5th補修後、最初の一匹なので、一応、入魂である。

メジャーで測ると奇しくも5thの全長と同寸であった。

やや婚姻色が出ている

 

何度かデカイのをバラしたと日記に書いたが、そのほとんどがこのポイントでの事である。
やっと大袈裟ではない事が証明が出来て嬉しかった。

いいタイミングで入れば絶対にいいお魚が居る、そんな場所のだ。

やや鼻曲がり気味

 

やや婚姻色が出始めている。

そして少し鼻曲がり。

実感が湧いて来た。

いいお魚だ!!

しゅーりょー


今シーズンは本流で尺が出ませんでしたが、支流で何とか二匹釣れました。

特に本日のお魚は、禁漁前最後のチャンスに、いい条件で、狙った場所で釣る事が出来ました。

気分良く今期の高津川釣行終了です。来期も宜しく。

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